わにぞう日記
日常のなかでいろいろと見たり考えたりします。でも、多くは忘却してしまいます。何かの時に思い出せるように。交流の中で意見が深められたり変わったりするのもおもしろいですね。
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公務員の政治的行為について
公務員の政治的行為には一定の制限があることはよく知られている。あんまり曖昧にしておいてもいけないので、いちおう少し調べてみた。この制限の法的構造について国家公務員の場合を中心にまとめておき、要するに何ができないのかについて考察しておく。少し地方公務員についても触れておきたい。
追記[2005/09/01]:公職選挙法がらみの考察も必要です。余裕があったらこの点もまた別途検討をするかもしれません。追記[200/09/01]:選挙期間中は選挙運動のカテゴリに入る発言は制限されます。特定候補・政党の支持・不支持呼びかけを目的とした記述は許されません。また、公務員の地位を利用した選挙運動も禁止されています。しかしこれらの規定は、国家公務員法と人事院規則による規制を守ることとほぼ等価であると思われます。
追記[2005/09/01]:注意:この記事内容はあくまでもブログ主たるわにぞう個人の判断にすぎません。

国家公務員の政治的活動に対する制限の根拠は国家公務員法百二条にあるようだ。

(政治的行為の制限)
第102条 職員は、政党又は政治的目的のために、寄付金その他の利益を求め、若しくは受領し、又は何らの方法を以てするを問わず、これらの行為に関与し、あるいは選挙権の行使を除く外、人事院規則で定める政治的行為をしてはならない
2 職員は、公選による公職の候補者となることができない。
3 職員は、政党その他の政治的団体の役員、政治的顧問、その他これらと同様な役割をもつ構成員となることができない。


これは国家公務員の主権者としての行為に対するなんらかの制限が課されることを規定している。憲法の本来の成り立ちを考えるとすれば、主権者の行為の自由は最大限に保証されるべきであると自分は考える。ところがこの条文は、主権者の重要な一部である政治的行為を、人事院規則にゆだねるという構造となっている。そして人事院規則は行政機関である人事院によって適宜改廃することができることになっている。つまり、人事院次第でどうとでもなる。一方、人事院は内閣の下にあるが、3名の人事官は国会の同意を経て内閣が任命することになるので、単純に行政権次第と言うこともできない。とはいえ、主権者の権利の制限が、人事院の裁量に任されるという構造には危ういものを自分は感じる。が、なにはともあれ現行の法律はこうなっている。
この法律に基づいて人事院規則一四?七は、国家公務員の政治的行為について以下のように規定している。

(政治的目的の定義)
5  法及び規則中政治的目的とは、次に掲げるものをいう。政治的目的をもつてなされる行為であつても、第六項に定める政治的行為に含まれない限り、法第百二条第一項の規定に違反するものではない。
一  規則一四―五に定める公選による公職の選挙において、特定の候補者を支持し又はこれに反対すること。
二  最高裁判所の裁判官の任命に関する国民審査に際し、特定の裁判官を支持し又はこれに反対すること。
三  特定の政党その他の政治的団体を支持し又はこれに反対すること。
四  特定の内閣を支持し又はこれに反対すること。
五  政治の方向に影響を与える意図で特定の政策を主張し又はこれに反対すること。
六  国の機関又は公の機関において決定した政策(法令、規則又は条例に包含されたものを含む。)の実施を妨害すること。
七  地方自治法 (昭和二十二年法律第六十七号)に基く地方公共団体の条例の制定若しくは改廃又は事務監査の請求に関する署名を成立させ又は成立させないこと。
八  地方自治法 に基く地方公共団体の議会の解散又は法律に基く公務員の解職の請求に関する署名を成立させ若しくは成立させず又はこれらの請求に基く解散若しくは解職に賛成し若しくは反対すること。
(政治的行為の定義)
6  法第百二条第一項の規定する政治的行為とは、次に掲げるものをいう。
一  政治的目的のために職名、職権又はその他の公私の影響力を利用すること。
二  政治的目的のために寄附金その他の利益を提供し又は提供せずその他政治的目的をもつなんらかの行為をなし又はなさないことに対する代償又は報復として、任用、職務、給与その他職員の地位に関してなんらかの利益を得若しくは得ようと企て又は得させようとすることあるいは不利益を与え、与えようと企て又は与えようとおびやかすこと。
三  政治的目的をもつて、賦課金、寄附金、会費又はその他の金品を求め若しくは受領し又はなんらの方法をもつてするを問わずこれらの行為に関与すること。
四  政治的目的をもつて、前号に定める金品を国家公務員に与え又は支払うこと。
五  政党その他の政治的団体の結成を企画し、結成に参与し若しくはこれらの行為を援助し又はそれらの団体の役員、政治的顧問その他これらと同様な役割をもつ構成員となること。
六  特定の政党その他の政治的団体の構成員となるように又はならないように勧誘運動をすること。
七  政党その他の政治的団体の機関紙たる新聞その他の刊行物を発行し、編集し、配布し又はこれらの行為を援助すること。
八  政治的目的をもつて、第五項第一号に定める選挙、同項第二号に定める国民審査の投票又は同項第八号に定める解散若しくは解職の投票において、投票するように又はしないように勧誘運動をすること。
九  政治的目的のために署名運動を企画し、主宰し又は指導しその他これに積極的に参与すること。
十  政治的目的をもつて、多数の人の行進その他の示威運動を企画し、組織し若しくは指導し又はこれらの行為を援助すること。
十一  集会その他多数の人に接し得る場所で又は拡声器、ラジオその他の手段を利用して、公に政治的目的を有する意見を述べること。
十二  政治的目的を有する文書又は図画を国、特定独立行政法人又は日本郵政公社の庁舎(特定独立行政法人及び日本郵政公社にあつては、事務所。以下同じ。)、施設等に掲示し又は掲示させその他政治的目的のために国、特定独立行政法人又は日本郵政公社の庁舎、施設、資材又は資金を利用し又は利用させること。
十三  政治的目的を有する署名又は無署名の文書、図画、音盤又は形象を発行し、回覧に供し、掲示し若しくは配布し又は多数の人に対して朗読し若しくは聴取させ、あるいはこれらの用に供するために著作し又は編集すること。
十四  政治的目的を有する演劇を演出し若しくは主宰し又はこれらの行為を援助すること。
十五  政治的目的をもつて、政治上の主義主張又は政党その他の政治的団体の表示に用いられる旗、腕章、記章、えり章、服飾その他これらに類するものを製作し又は配布すること。
十六  政治的目的をもつて、勤務時間中において、前号に掲げるものを着用し又は表示すること。
十七  なんらの名義又は形式をもつてするを問わず、前各号の禁止又は制限を免れる行為をすること。


政治的行為はその第六項の各号において定められるが、そのおおくについて、第五項の定める政治的目的を持って行われているかどうかが要件となっている。おおざっぱに言って、
その行為が政治的目的を持っている。かつ、政治的行為と認定できる。という両方の条件が満たされた場合にはじめて、国家公務員法によって禁じられている政治的行為にあたるものと判断される
という構造になっている。
実はこれらの政治的目的や政治的行為という概念が何を意味しているかについてより事細かに規定した人事院通知が存在する。「人事院規則14?7(政治的行為)の運用方針について」というもので、以下この通知も援用しながら考えていく。

さて、ブログ等で国家公務員である一個人が何か意見を述べるという場合について考えてみると、政治的行為にあたる可能性があるものはどれか。
まず第六項第一号は、政治的目的のために公私の影響力を利用してはいけないとある。
国家公務員であることを公表してブログで意見を述べることは、影響力を行使したことになるか。
この点を「運用方針」はどう述べているか。

(1)第1号関係 本号は、職員が、国家公務員としての地位においてであると、私人としての地位においてであるとを問わず、政治的目的のために自己の影響力を利用する行為を政治的行為としてこれを禁止する趣旨である。「公の影響力」とは、職員の官職に基く影響力を、「私の影響力」とは、私的団体中の地位、親族関係、債権関係等に基く影響力をいう。たとえば、上官が部下に対し、選挙に際して投票を勧誘し、あるいは職員組合の幹部が組合員に対し入党を勧誘するためにその地位を利用するような行為は違反となる。


ここで公私の影響力とは何かについて定義されている。ブログでの意見表明がこの通知の指摘する「政治的行為」に該当しないことがわかる。
次に問題になるのは第六項第十一号であろう。この規定を見る限り、ブログにおいて「政治的目的を持った意見」を述べることは、これに抵触する可能性がある。では、「政治的目的」とは何か?
これについては第五項を追わなければならない。まず、一?四号の規定から、特定の候補あるいは政党・政治団体、内閣を支持したり反対することは政治的目的とされることがわかる。さすがにこういうことは普通しないだろう。
その上で気になるのは第五項第五号の規定である。「政治の方向に影響を与える意図で特定の政策を主張し又はこれに反対すること」。これを素直に読むと、
ブログ上で何らかの政治に関連するような議論をすること自体がすでに「政治的目的」を持った行為とされるのではないか
とも感じられる。ところが、これについて「運用方針」は以下のように規定している。

(5)  第5号関係 本号にいう「政治の方向に影響を与える意図」とは、日本国憲法に定められた民主主義政治の根本原則を変更しようとする意思をいう。「特定の政策」とは、政治の方向に影響を与える程度のものであることを要する。最低賃金制確立、産業社会化等の政策を主張し、若しくはこれらに反対する場合又は各政党のよって立つイデオロギーを主張し若しくはこれらに反対する場合あるいは特定の法案又は予算案を支持し又はこれに反対するような場合の如きも、日本国憲法に定められた民主主義政治の根本原則を変更しようとするものでない限り、本号には骸当しない。


実は「政治の方向に影響を与える意図」とは、民主主義の原則を変更しようとするほどの意図、ということとされているのである。したがって、現状において(国家公務員法、人事院規則、その運用規則を前提とする限り)以下のように結論づけることができそうである。

民主主義政治そのものを転覆するような議論でない限り、あるいは特定の候補・政党を支持し、あるいは反対する目的で行うものでない限り、あれこれの政策や予算の使い道について、あるいはあれこれの政党の政見や政策について、国家公務員がブログ上で論じることは禁止されていない。

地方公務員の場合は地方公務員法第三六条に政治的行為に関する規定がある(教育公務員の場合は、国家公務員の規定によることが、教育公務員特例法によって定められている(第一八条))。地方公務員の政治的行為の制限に関する規定は、国家公務員法と異なり条文で定められている。

(政治的行為の制限)第36条 職員は、政党その他の政治的団体の結成に関与し、若しくはこれらの団体の役員となつてはならず、又はこれらの団体の構成員となるように、若しくはならないように勧誘運動をしてはならない。
2 職員は、特定の政党その他の政治的団体又は特定の内閣若しくは地方公共団体の執行機関を支持し、又はこれに反対する目的をもつて、あるいは公の選挙又は投票において特定の人又は事件を支持し、又はこれに反対する目的をもつて、次に掲げる政治的行為をしてはならない。ただし、当該職員の属する地方公共団体の区域(当該職員が都道府県の支庁若しくは地方事務所又は地方自治法第252条の19第1項の指定都市の区に勤務する者であるときは、当該支庁若しくは地方事務所又は区の所管区域)外において、第1号から第3号まで及び第5号に掲げる政治的行為をすることができる。
1.公の選挙又は投票において投票をするように、又はしないように勧誘運動をすること。
2.署名運動を企画し、又は主宰する等これに積極的に関与すること。
3.寄附金その他の金品の募集に関与すること。
4.文書又は図画を地方公共団体又は特定地方独立行政法人の庁舎(特定地方独立行政法人にあつては、事務所。以下この号において同じ。)、施設等に掲示し、又は掲示させ、その他地方公共団体又は特定地方独立行政法人の庁舎、施設、資材又は資金を利用し、又は利用させること。
5.前各号に定めるものを除く外、条例で定める政治的行為


人事院規則とよく対応した内容であるが、簡略であることと、勤務地と関連した規定があることがわかる。特に、人事院規則にあった「政治の方向に影響を与える意図で特定の政策を主張し又はこれに反対すること」にあたる規定がない。
地方公務員がブログでさまざまな発言をすることも、特定の候補や政党の支持や反対を目的としたものでない限り、決して禁止されていないといえるだろう。
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