わにぞう日記
日常のなかでいろいろと見たり考えたりします。でも、多くは忘却してしまいます。何かの時に思い出せるように。交流の中で意見が深められたり変わったりするのもおもしろいですね。
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秘密保護法案の審議に必要な前提・ツワネ原則
特定秘密保護法案の国民的議論をすすめる上で前提として検討するべき原則がある。
それは、「ツワネ原則」と呼ばれており、

国家安全保障への脅威から人々を保護するための合理的な措置を危険にさらすことなく、政府の情報への公的アクセスをどう保障するかという問題に対して、関連法令の起草に関わる人々への指針を提供するために作成され、秘密保全の適正な限界、内部告発者の役割、その他の諸問題についての詳細なガイドラインを示しており、国家安全保障と国民の情報へのアクセスを検討するに当たっての視点として参考となる。(「諸外国における国家秘密の指定と解除―特定秘密保護法案をめぐって―」国立国会図書館(2013)より)



ひとつ前のエントリーでも触れたが、民主主義国家においても、平和憲法化とは言えども自衛隊や米軍も存在する現在の日本においては少なくとも、公益との関係で秘密管理が必要な場合があると国民の多くは考えているし、わにぞうもそう考えている。ところが一方で、公益のためであれば何でも政府が秘密を指摘できるような極限に至れば、民主主義国家としての命脈である国民の知る権利が死滅し、民主主義国家でありえなくなる。本当に達成すべきものはこの両者のせめぎあいのどこかにあるべきであると同時に、そのような制度全体の是非を問うことができる民主主義国家としての基盤を守らなければならない。
ところが一般的に、秘密保護法案に反対する論点には、国民主権や平和主義の原則を秘密の存在と単に対立させて理解して良しとするものが多い。多くの国民が興味を持っている、実在する必要な国家機密に対して、どのように対処するかに関する知見を提供する動きが乏しいことに危惧を持つ。

この点で、ツワネ原則は重要である。なぜなら、

この原則は70カ国以上にわたる国の500人以上の専門家の助言を得て、Open Society Justice Initiative の企画により世界中で開催された14回において、22の団体や学術機関により起草され、今年6月12日に発表されたもの


であり、

『国家安全保障と情報への権利に関するツワネ原則』は国家安全保障への脅威から人々を守るための合法的な努力を危険にさらすことはなしにどうやって政府の情報への公的アクセスを保証するかの問題を扱います。(Peace Philosophy Centreによる訳。読者には、この情報もとに疑問を持つ向きもあろうと思うので言うが、わにぞうも原文を参照して、訳はほぼ正確なものと判断していることを申し添えておく)


とする立場から、この問題に取り組んだ結論であるからだ。ハナから国家には秘密が存在してはいけないとか、秘密(国家の安全保障)と民主主義(政府の情報へのアクセス)が対立することから直接秘密の存在の否定を導き出すような乱暴な議論とは一線を画す国際的な一つの基準である。
例えばこの原則は、

知る権利への制限の必要性を証明するのは政府の責務である。(原則4)
政府は防衛計画、兵器開発、諜報機関によって使われる情報源など狭義の分野で合法的に情報を制限することができる。また、国家安全保障に関連する事柄について外国政府から提供された機密情報も制限することができる。(原則9)


とまで述べている。理念にのみ依拠した秘密保護法反対派には決して理解できないだろうが、国家には秘密はありうるし、政府だけがそれに責任を負う(民主主義とそれを担う国民に対して!)ことができる唯一の主体なのだ。反対陣営がこの点にも深く配慮をした論陣を張ってもらわなければ国民の多くを説得することはできず、議論は決して深まらないだろう。

ツワネ原則はこの秘密の運用を政府に責務として負わせながら、民主主義的なコントロールを実現するための多くの原則を掲げている。もちろんこれはあくまでも国際的な一つの到達に過ぎない。この原則を日本の現実に生かそうとするかどうかは、日本の有権者と為政者の判断次第だ。だが、わにぞうは、この原則は有効なものだと考えるし、ツワネ原則に真剣に向き合うことなくこのまま特定秘密保護法が制定されることには、日本の将来を真剣に考える立場から、断じて反対させてもらう。

ここでいくつかの原則を引用しておこう。現在の特定秘密保護法案はこれらの論点に向き合っているだろうか? まったく向き合っていないし、この原則を大きく踏み越えた国家機密の優先を特徴としていると言えるだろう。この法案をそのまま肯定するのであれば、関連する諸原則がなぜ不適切かを説明しなければならない。

政府は人権、人道に関する国際法の違反についての情報は決して制限してはいけない。これは、現政権より前の政権下における違反行為についての情報、また、自らの関係者あるいは他者により行われた違反行為について政府が所持する情報についても当てはまる。(原則10A)
公衆は監視システム、そしてそれらを認可する手続きについて知る権利がある。(原則10E)
公共セクターにおける内部告発者は、公開された情報による公益が秘密保持における公益を上回る場合、報復措置を受けるべきではない。(原則40,41、と43)
ジャーナリストその他、政府に勤めていない人々は、機密情報を受け取ること、所有すること、公衆に公開することに対し、また機密情報を求めたり機密情報にアクセスすることに対して共謀その他の犯罪で訴追されるべきではない。(原則47)
ジャーナリストその他、政府に勤めていない人々は、情報流出の調査において、秘密情報源や他の非公開情報を明かすことを強制されるべきではない。(原則48)
安全保障セクターには独立した監視機関を設けるべきであり、それらの機関は効果的な監視のために必要な全ての情報にアクセス可能であるべきである。(原則6、31-33)


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この記事に対するコメント

特定秘密保護法案は平成の治安維持法
反対の意見や声明が続々と発表されている
国民の知る権利を根こそぎ奪う
そもそも立法事実がない
【2013/11/05 22:22】 URL | さしみ #- [ 編集]


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