わにぞう日記
日常のなかでいろいろと見たり考えたりします。でも、多くは忘却してしまいます。何かの時に思い出せるように。交流の中で意見が深められたり変わったりするのもおもしろいですね。
09 | 2017/10 | 11
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

激動イスラム 第1回「アラブの春はどこへ」
表記のタイトルのNHKスペシャルを見た。きっちりみられる状態にはなかったので、以下の感想にはいくらかの私の偏見が入っている可能性がある。また再放送をビデオ撮りできそうなので、これを精査する余裕があれば、より自信を持った見解を表明できるかもしれない。だが、このままにしておくと第一感を忘れてしまう。ともかくも書き留めておくこととしたい。

以前のエントリーで、エジプトの民主化(アラブの春)の流れが、イスラエルのガザに対する軍事的暴虐の手を縛ったことについて喜ぶ記事を書いた。
エジプトは確かにモルシ政権の下、かつての米国傀儡の軍事政権のくびきから離れ、イスラム諸国を含む諸国との自由な連携の道を歩んでいる。国内的には多数を占めるムスリムの立場を代表する政権を打ち立てた。このことにより国民が国家主権を行使できる可能性を開いた。この流れは同時にイスラエルのやりたい放題できる条件を打ち砕いた。自分的には大変喜ばしい展開だと考えている。
一方で勿論、過去の米国の利益誘導や軍事的・経済的支配から自立することは困難を伴う。大局において、きわめて大きな困難に直面することは必然である。生活は簡単には好転しない。このことからモルシ政権への不満を強める向きもあるに違いない。

この番組は、こういった経済状況への国民の反発や、財界人など「識者」の懸念を「公平」に伝えて見せる。また、観念的な民主派の中にはおそらく米国万歳の立場に立つものもいるだろう。もちろん旧支配層の下でうまい汁を吸っていた層も支配的財界人を中心に分厚く広がっていることも想像に難くない。番組には、このような反モルシの流れの発展にアラブの春本来の流れを見て、これを抑えようとするモルシ政権を、アラブの春に対する逆流として映し出そうとする「良識」的前提を感じる。モルシ政権の独裁的志向への反発にのみ正義を見るのは、権力の奪取という現実を十分に見ることのできない観念論ではないのか。
モルシ政権の機敏な軍への対応については番組でも紹介されていた。あらゆる手段を使って軍を威嚇・懐柔し、権力に取り込んでいく様は痛快でもあった。だが、番組のスタンスはやや歪んでいるように思えた。現政権に協力的となった旧高官との現実的妥協と協調をややもすると否定的なニュアンスで伝えたがっているように思えてならなかった。軍を取り込む姿勢を軍事国家づくりへの志向ととらえてしまう傾向はないだろうか。だが、国家権力の把握において軍ほど重要なものはなく、革命をするなら何があろうとも取り込む必要がある。
同時に、憲法をめぐる原理的民主主義者とモルシ大統領の現実的対応との間の矛盾も紹介された。ここでも、諸問題の解決を目指す現実主義の立場よりも、三権分立、宗教の完全分離などの原理的民主主義の立場に親和的な「良識」が見え隠れするように思えた。
欧米のフィクサーのような何やら怪しげな人物を登場させ、モルシ政権の真の目的は「イスラムによる世界制覇」だと語らせているのは基本的センスを疑う。トンデモに近い議論だと考える。

番組の材料そのものは新鮮であり、リアルなものだ。取材と番組への編成については、心より敬意を表しておきたい。

しかし気になることは、米国や欧州=民主主義派=平和主義派にして開明。イスラム=独裁派=軍事派にして蒙昧。という抜きがたい図式があり、無意識のうちにこの図式から問題を理解する傾向が番組にもあるように感じられることだ。大方の視聴者の反応もこの通りのものだろう。期待される流れの通りに情報を読み取ることになる。たびたび一方的なチャベス独裁論を流してきた過去ともつながる、「良識」的マスコミの抜きがたい偏見に対し、それでも僕はあえて反旗を翻したい。アラブの春の流れは、イスラム的価値観の下に憲法や民主主義的仕組みを打ち立てようとする努力の中にも変わらず息づいているとみる。権力を維持しようとする流れとそれに対する国民的な批判の両面の正義を読み取ることが求められている。
ムスリムの立場を代表する政権とそれを批判する世論のせめぎあいの中から道を見出す叡智を、エジプトは発揮してい行くことになるだろう。
今後紆余曲折があろうとも、おそらくエジプトは分厚いイスラムの流れに乗り、自律的な主権国家づくりへの道を歩み続けるだろう。また、イスラエルによるガザに対する暴虐の手を縛った流れは本物だと考える。日本の「良識」的マスコミはこの流れの意義を決して理解できず、米国や欧州の立場を無意識的に代弁し、イランやハマスに接近したとみれば否定し、大局を握るための政権の現実的対応を変質と描き、深刻な「疑問」を提示して見せ続けるだろうけれども。
スポンサーサイト

この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→http://wa2zoo.blog8.fc2.com/tb.php/599-db0a5707
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

わにぞう

  • Author:わにぞう
  • 理系研究者です
    自転車で遠くに行くのが好きです
    ↑は、日本最南端の碑

最近の記事

TBポリシー

このブログは、言及をした場合にトラックバックを送るという原則を堅持します。ただし、このブログに対する非言及トラックバックは許容します。理由はこちら

ブログ内検索

バナーエリア




「キャプテン」イガラシ全国大会版アニメ化を
応援しています
「キャプテン」近藤版も期待しています

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

リンク

このブログをリンクに追加する

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSフィード

月別アーカイブ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。