わにぞう日記
日常のなかでいろいろと見たり考えたりします。でも、多くは忘却してしまいます。何かの時に思い出せるように。交流の中で意見が深められたり変わったりするのもおもしろいですね。
03 | 2017/04 | 05
S M T W T F S
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「借りぐらしのアリエッティ」(米林宏昌監督, 2010)
ここ数本のジブリ映画の不振をのりこえ、納得のできる作品に仕上がっている。「耳をすませば」に似た側面と、大きく違う側面があるが、気持ちの良い少年と少女の恋の物語と受け止めた。愛するものを見つけ出し、心にともる希望。湧き上がる行動。
人はギブアンドテイクの原理で経済的になるように行動を行っているように見える。だがその根底には、「贈り物」をする人間の本性が潜んでいる。人に与えてその反応を喜ぶ。贈り物はいいものだ。
世の中には酷評もあふれているけれど、僕にとっては五つ星をあげてもよい作品である。
以下ネタバレもあるかもしれないのでご注意。

それにしても世の映画評の評点がここまで分散するのも珍しいのではないか? 映画評の評をしてみたくなる。

小人の生活の細部の描写と、それを支える仕組みに対する好奇心がこの作品を見る心を強く駆動する。生活の根拠に気づいていく楽しみ。生活の知恵を体現する父と、新しい世界を探検する娘の高揚感。
小人たちにとっての「庭」の巨大さ。そこをわたっていく壮大な旅。
絶望に押しつぶされそうな少年の心が、危うく踏みとどまり、静かな美しい庭の一角で静かな世界観的問いかけを通して激しく葛藤し、美しい少女とその生きざまに心を動かされ、勇気を取り戻し、希望を心にともし、行動に移る。実にダイナミックなこころの動きの表現だ。
「盛り上がりがなかった」? とんでもない。

全体として合理的な世界観を表現できている。「猫の恩返し」・「ハウル」・「ゲド」・「ポニョ」と続いた物語の不成立(もう少し明確に言えば破たん)はここにはない。
職業柄な感想を一言加えておくと、液体の表面張力や粘性に関する描写には並みではないこだわりが表れている。物性はスケール依存することがわかる。

借り暮らしではなく、「パチリ暮らし」だと揶揄する評もある。これについても言わせてもらいたい。人と小人の圧倒的な力関係の下で、「対等な互恵関係の下での共生」を要求する倫理観。その暴力性に気づかないのか?
結果的な共生関係が成立しなかったことで不満を述べる向きもある。だが、人と小人の住む世界は決して交差することはないものだ。世の中にも、人間と自然の間にも、決して共生できない関係だってある。共生すればいいってもんじゃない。

それでも二つの世界の間に成立した物語を受け止めたい。ここからは本来の小人の世界の物語が始まる。そこにはスピラーの活躍が期待される。ラストシーンの中での武骨な贈り物がまたよかった。アリエッティと翔くんの間に成立したものと同質の関係が成立しかかっていることがわかる。
スポンサーサイト
この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→http://wa2zoo.blog8.fc2.com/tb.php/419-e0eb6018
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

わにぞう

  • Author:わにぞう
  • 理系研究者です
    自転車で遠くに行くのが好きです
    ↑は、日本最南端の碑

最近の記事

TBポリシー

このブログは、言及をした場合にトラックバックを送るという原則を堅持します。ただし、このブログに対する非言及トラックバックは許容します。理由はこちら

ブログ内検索

バナーエリア




「キャプテン」イガラシ全国大会版アニメ化を
応援しています
「キャプテン」近藤版も期待しています

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

リンク

このブログをリンクに追加する

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSフィード

月別アーカイブ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。