わにぞう日記
日常のなかでいろいろと見たり考えたりします。でも、多くは忘却してしまいます。何かの時に思い出せるように。交流の中で意見が深められたり変わったりするのもおもしろいですね。
05 | 2017/06 | 07
S M T W T F S
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「拉致―左右の垣根を超えた闘いへ」蓮池透著、かもがわ出版
蓮池氏のことについては改めて言うまでもあるまい。冷静な筆致から繰り広げられる政府やマスコミに対する批判は本質を突いている。もっとも共感したところは、政府もマスコミも救う会も採用をしている「家族会や被害者の立場に立つ」とする一見当たり前で誠実であるかのように見える立場そのものが、巧妙な責任逃れと家族会や被害者への責任転嫁の病理を持ち、状況に対する絶望的なまでの無策を媒介していることを指摘していることだ。
以前、JR宝塚線の事故にかかわる別のエントリーで、「被害者と同じ立場に立つ」ことの危険性を述べた。このことに気づかせてくれたのは森達也氏の著書であったが、蓮池氏の論点は森氏の指摘の重要性を、当事者性を強く付与する形で裏書きしている。
この裏には深刻な政府とマスコミの思考停止がある。この病理を解決することは、日本の今後にとって極めて重要な問題だ。

蓮池氏の主張から、政府やマスコミが「家族や被害者の立場に立つ」ということの問題点を指摘した部分を紹介しよう。

政府の立場の問題点

政府の方々と話していると、家族の意向と違った言動をとると、世論からバッシングがくるのではないか、それはまずいぞという雰囲気を感じます。しかし、「家族会」の意向が、そのまま日本の世論ではありません。たとえ、日本の世論だったとしても、それにしばられていたら、国として独自の外交戦略を持てないことは明白です。
北朝鮮に何を言えば、拉致問題の解決に前向きになるのか、その戦略がなければならないのです。もしかしたら、家族の意向に逆らってでもやることが、問題の解決にとって必要な場合だってあるでしょう。家族は、やはり当事者ですから、ある意味で感情的、情緒的なアピールをするのは当然なのです。政府が、それと同じ水準ではいけません。
ところが、いまの政府のスタンスは、家族の言う通りにしているのだから、批判してもらっては困るという程度のように感じます。求めに応じて制裁をしているのだから、被害者が帰ってこなくても、文句を言われる筋合いはありませんと思っているのではないでしょうか。それは、自分たちの無為無策を、家族を口実にして棚上げしているようなものです。



マスコミのあり方に対して

被害者を気にしすぎるという点では、マスコミも同じでしょう。被害者家族が怒るようなことを報道したら、世論を敵に回してしまうので、タブーにしているような感じがします。つまり、被害者家族の言動は、サンクチュアリになってしまっているのです。
<略>
そういう視点でしかものを見ないから、テロ支援国家の指定が解除になったり、経済制裁がゆるめられたりすると、それは、拉致問題が解決できなくなるということに等しいわけです。そういう意味では、マスコミは、被害者に寄り添っているようで、じつは酷なことをやっているのではないかという気さえします。


ここには見事に同じ構造が横たわっている。

  • 本当は同じ立場に立つことなど不可能なのに、同じ立場に立ったと軽々と言い張る非倫理性
  • 感情的になりがちな家族や被害者の主張に全面的に同意して見せることからくる、行動上の自由の喪失と非戦略性
  • 結局のところ家族の主張に全面的に責任転嫁をし、自らの決断を回避する無責任性

本当に大切なことは「被害者の立場」に立ち、同じ怒りの感情を主語の曖昧なままに共有して満足することではない。あくまでも政府やマスコミの独自の責任を自覚し、自らの論理と戦略を持って主語を明確にして語ること。そうしてこそ実は本当に被害者の立場を理解した(「立場に立った」ではなく)対応が可能になることに気づくことだ。
スポンサーサイト
この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→http://wa2zoo.blog8.fc2.com/tb.php/367-5f2d579b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

わにぞう

  • Author:わにぞう
  • 理系研究者です
    自転車で遠くに行くのが好きです
    ↑は、日本最南端の碑

最近の記事

TBポリシー

このブログは、言及をした場合にトラックバックを送るという原則を堅持します。ただし、このブログに対する非言及トラックバックは許容します。理由はこちら

ブログ内検索

バナーエリア




「キャプテン」イガラシ全国大会版アニメ化を
応援しています
「キャプテン」近藤版も期待しています

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

リンク

このブログをリンクに追加する

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSフィード

月別アーカイブ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。