わにぞう日記
日常のなかでいろいろと見たり考えたりします。でも、多くは忘却してしまいます。何かの時に思い出せるように。交流の中で意見が深められたり変わったりするのもおもしろいですね。
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「赤字決算」報道にご用心
アメリカ発の世界的な経済危機にともない、企業の業績の悪化が喧伝されている。2008年度の経常利益がなんと半分になったとか、今年度の決算が赤字になったという報道のない日はない。そしてお決まりの人員整理と工場閉鎖。とうとうパジェロの名を売ったパリダカールラリーからも、三菱は撤退をするという。そういえば来年にオリンピックの舞台を控えた日本ジャンプの花形選手も、安定した雇用先が見つからない状況だ。
でも、待ってほしい。今赤字で騒がれるということは、これまでずっと黒字を続けてきたということだ。
トヨタも3月期決算で赤字になると騒がれている。営業利益は今季確かに数千億円の赤字になりそうだ。しかし、トヨタの19年度営業利益は2兆2700億円。18年度は2兆2400億円。17年度は1兆8800億円。16年度は1兆6700億円。15年度は1兆6700億円。14年度は1兆2300億円。13年度は8700億円。12年度は7600億円の黒字である。莫大な黒字の末の一瞬の赤字だ。マスコミの問題の騒ぎ方は、タイムスケールをまったく見誤っていると思う。
若者の雇用破壊を背後に、これらの黒字は企業の内部留保を増大させてきた。もちろん内部留保は「単に遊ばせておくお金」ではないわけで、企業の競争力を高める上で重要であることは間違いあるまい。グローバルメガコンペティションにさらされる個々の企業の論理にそのまま立つならば、自らの体力を強化するためには内部留保の死守を志向するのも当たり前なのかもしれない。
しかし、今日本で起こっていることは何だろうか。企業の競争力を守るために(事実ここ数年の営業利益を見るだけでも、大変な努力が払われてきたことがわかる。)、雇用の破壊をすすめ、若い次世代の育成を二の次にし、優秀な下請け企業を苦境に陥れ、地域経済を冷やし、食の安全を手放し、内需を細らせ、パリダカやオートレースからの撤退が象徴するように技術開発への挑戦を諦めてきたのではないのか。
僕には、この現状は結局、日本における企業力の源泉そのものを決定的に傷つけつつあるものだと思われてならない。もし日本の企業力を大きな視点から育てようと本当に思うのであれば、せっかく蓄えてきた企業の体力(=内部留保)を、十年先を見据えた大きな投資のために用いるべきときだろう。
内部留保を用いて雇用を守る。ということは、「企業対経営者」という枠組みでのみ重要なわけではなく、日本経済の力の源泉を恢復させるためにこそ必要なのではないだろうか。
「内部留保を取り崩すことは企業の競争力をうばうので論外」という論が氾濫しているが、日本の企業力の源泉を恢復させるためならば、内部留保を大いに使うべきなのだ。
そのために必要なのは政策的イニシアチブである。内部留保を取り崩せない、というのは個々の企業の罪ではないのだ。今日麻生首相が国会で、「内部留保をどう使え、などということをどうこう言うことはできない」と答弁しているのをニュースで聞いた。質問者は当然ながら、「内部留保が膨らんでいる現状の中で、その確保を聖域として雇用の破壊を当然視するのはよくない」と主張したのだろう(そこは聞いてなかったのでわからないが)。これに対する答えとしてはずいぶんと失礼な返答だと思う。論理的には完全に空回りしているし、もしもこれで反論した気になっているとすれば、首相の人間的品性を僕をまず疑う。また、政治家こそが、大局的に「内部留保をどう使え、ということをどうこう」考えることこそが必要なのだ。この視点を端から放棄する政治的感性は、日本の首相としての資格問題すらはらんでいると思う。
今年は選挙もある。ためこんできた内部留保の正しい使い方を、長い目でみて提案できるような政治家を育てていく年にしたいものである。

さて、ややくどいほどに「日本の企業力」と表現してきた。これは、もし現在の大企業の活力のみを問題にするのであれば、もしかすると日本の経済力の源泉の恢復なんかぜんぜん必要ないかもしれないからである。彼らは国際社会に飛び出せばいいだけのことである。だが、僕たちは日本で生活している。日本社会は大切だし、末永くこの島国の上で、楽しい社会を維持していってほしいのだ。そのために、これらの企業には、日本企業であり続けてほしい。日本人の営々たる努力こそが、日本企業の底力を作ってきたのだから。これらの先達の努力を手放してしまうのかどうか。このことを僕たちは問われているのではないか。
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