わにぞう日記
日常のなかでいろいろと見たり考えたりします。でも、多くは忘却してしまいます。何かの時に思い出せるように。交流の中で意見が深められたり変わったりするのもおもしろいですね。
03 | 2017/04 | 05
S M T W T F S
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「日本の・これから/憲法9条」 を(海外で)観る
海外出張中にとあるアジアの国で、NHKの衛星放送を宿で見ていたら、ディープな番組が始まった。NHK「日本の・これから/憲法9条」。しまった。こんな番組やってたんやったらビデオ撮っとくんやった!
斉藤貴男と小林よしのりのやりとりが気持ちいい。学者らしい小林節・渡辺治・伊ケ崎さんの発言。それに比べて親米保守・高坂氏の立論の雑さに驚嘆。司会はお決まりの対立構図に持ち込もうとするわけだけれども、実は彼らの間に、親米ポチを除いて大きな対立はないんではないかな。

海外で見ていたし、仕事もしながらだったので、全部を見たわけではありません。だから、この番組を評しているブログたちの意見をむしろ参考にして議論をしてみたいと思います。

「エリザベスのたわごと」さんのブログ

なんでもお父さんが元自衛隊の方だそうで、いけいけどんどんなご発言に的確なる反論をされながらのご鑑賞だったようです。(これだけ素直にいけいけどんどんになれるというのはきっと、この方のお父様は本当にいい人なんだろうなぁ、と感じました。僕の知っている自衛隊員は実際いい人ばかりです。)

ガンディー主義は「命どぅ宝」ではない。イギリスから独立をかちとるために、命を投げ打って、非暴力という方法で闘ったのである。ガンディー主義というのは相当な覚悟が必要である。‥‥って小林よしのりが言ってたけど、西部邁の主張と似てますねぇ。非武装の内容をわかってないまま、自衛隊をなくして9条を護ろうというのは無責任だと言いたいんでしょうね。でも私は軍事大国になって因縁ふっかけて他国を侵略するくらいなら、非武装を選びますけどね。


そうですか。よしりんはこんなことを発言していたのですか。
小林よしのりのこのような言葉に反発を覚えるお気持ちよくわかります。でも、僕は小林よしのりの論調が西部邁に似ているにしてもいないにしても、小林よしのりの主張は正当だと思っています。いわば護憲派はそのリスクを直視し引き受ける覚悟が必要だということです。
この点では、僕のこのエントリーで紹介している、大塚英志と小林よしのりのやり取りに関するコメントを参照ください。
僕は強固な護憲派ですが、「憲法9条の完全実施は日本の安全保障についてのみ考えた時に、最適解ではない」と思っています。日本一国の平和を考えるのであれば、憲法9条をほおり投げて自力で武装すればよい。(アメリカ様に日本の安全を守っていただくなんてばかげた虚構におさらばすることは、もちろん前提としてですが)。
日本はその安全保障の確実性をある程度犠牲にして、小林よしのりの言う意味でのガンディー主義とも通じる精神でもって、丸腰で世界と対峙することにより、平和を築こうとしている国際社会において名誉ある地位を占めようではないか。というのが僕の原理的護憲論の内容です。
先にあげた大塚英志との議論の中で、小林よしのりは、こうまで言っています。

小林 なるほど。つまり大塚さんは、あの憲法に書かれた理念をリスクを負って本気で引き受けようというわけね。いいよ、わしはそれを選択してみても。非武装で、徹底的に言葉だけでやってみよう。


大塚 でもこの国が現在の憲法を選択している以上、論理的な帰結としてはそのリスクを背負うべきだと思いますよ。リスクを背負う価値はある。
小林 なるほど。リスクを伴った非武装中立論というものを、わしはここで初めて聞きましたよ。その言い方ならば、かなりわしは評価するね。一方で核兵器まで持たなくても、そこそこの軍隊を持って何としても独立し、絶対に他国を侵略しない。そういう選択も、あり得ると思う。


小林よしのりはたぶん、マッチョな主戦主義者ではないのです。とはいえ、なんらかの社会的な抵抗運動には不可避的にリスクが伴うことを理解した上でやれ、と言っているのです。リスクを引き受けて戦ったガンディーを、肯定的な文脈で理解しているということは、リスクを引き受けてたたかう9条擁護論の列に彼が加わる未来もありうることを意味していると僕は思うのです。
というわけでよしりんの番組での発言。実にすばらしいことだと僕は思いました。ビデオ撮っとけばよかった!!

渡辺治が、「軍事的協力というのは、数ある国際貢献のうちの1つのオプションに過ぎないのに、それしかない、そうしなければならないと思い込んでしまっている。」って言っていました。

 
そうですね。僕がよく思うのは、PKOの奇妙な美化のおかしさです。国際社会に武力紛争が生じてしまった場合(いわば国連の仕組みの失敗が生じた場合)に、それを抑えるために発動されるぎりぎりの策がPKOです。だからPKOは本当に大変なんです。「だから国連はなにもできない」という本を昔読みました。PKO活動の絶望的なまでの困難さを描いています。これをもって国連無力論を説いたり、日本人の国連信仰を嘆く向きもあるようですがとんでもありません。この本から学ぶべきは、PKOという仕組みはあるけれども、本当に大切なことはそこに至るまでに何とかすることだ、ということなのではないかと思うのです。
だから、何か国際紛争に軍隊を出してスーパーな力を発揮して紛争を解決するような活動ができるようになることが「美しい国になること」というとんでもない勘違いがあるのは重大だと思います。国際貢献といえば紛争に対する軍隊の派遣という短絡は、渡辺さんのおっしゃる通り、本当に克服しなければならないと、強く思います。

会場のお一人が、「国際法なんて意味がない、世界はホッブズの理論で動いている。」と言い、それに対して小林節(だったかな?)が「それは違う、国家も軍隊も国際法で動いているんですよ。」と反論していました。私は前者は裏の世界、後者は表の世界を言っているのだと思いました。会場のその人は感情的にまくしたてていたので視聴者にはあまり伝わらなかったでしょうが、ネオコンのことをちょっと言ってましたね。確かにネオコンの実態を知れば、世界はホッブズの「万人の万人による闘争」状態にあると思えてくるのも分からないでもありません。しかし表の理論はやはり大切なのです。裏の実状に合わせて表を変えてしまったら、すべてが闇に包まれてしまいます。人類が築き得てきた歴史からの教訓を無に帰すことになります。


読んでいて本当にうれしくなってしまいました。「裏の世界」を一方でにらむリアリズムを忘れないこと。でも一方で「表の世界」がやっぱり本当に努力をして築き上げてきた仕組みや教訓にこそ希望を見出すこと。これですね。

なぜアメリカがこれほどまで躍起になって改正させようとするのか、それは9条が邪魔であり有効であるからだと思います。でなければ、改正など回りくどいことをさせずに、とっくに自衛隊員を最前線に送ってますよ。美輪サンが本の中で、「妖怪が、"そのお札、はがしてくれ?"って言ってるんですよ。」ってなこと書いてましたが、言い得て妙だと思いました。


同感です。美輪さんはそんなことを。まったくその通りですね。
これから「エリザベスのたわごと」さんのページを時々参照させてもらおうと思います。

うーむ今日はいくつかのページを渡り歩こうと思ってたけれど、「エリザベスのたわごと」さんだけでもうお腹いっぱい。うれしいなぁ。
スポンサーサイト
この記事に対するコメント
はじめまして。
当方のブログを取り上げて、このように丁寧にコメントしていただき、ありがとうございます。私も不勉強なりに、この日本の状況を何とかできないものかと、必死に考えています。何ができるかなんて思いつかないんだけど、まずは「知る」ことが大事かなと思って、とりあえず本を読み漁っています。
      
小林よしのりはかなり前に、「ゴー宣」を10冊くらい読んでいました。でも、「戦争論」あたりから「ん~、何かついてけない‥‥」って思って、読まなくなっていたんです。風の噂で「つくる会」から脱退して、保守論壇から干され気味だということしか知りませんでした。
  
西部邁も、ゴー宣で保守主義者として登場していたことしか知らなかったんです。‥‥しかし、最近の彼の主張をネットで目にして、「えっ、意外と私の考えに近いじゃないの!」と思うようになり、彼の本を色々読むようになりました。 
      
その流れで、小林よしのりとの対談を読み、「えっ、こんな主張してたんだ!」って知ったんですよね。世間一般には、小林よしのりはかなり誤解されているんじゃないかと思います。(私もその1人でしたし)
 
つい最近では、「反米という作法」という2人の対談本を読みました。圧倒的に親米保守が幅をきかせていた平成14年に、あのような先見の明をもった主張をしていたとは驚きました。また孤立し干される覚悟で筋を通そうとしている2人に、西郷隆盛ばりの賞賛を送りたくなりました。(ってちょっと大げさかな^^;)  
 
西部サンは、「ここだけの話ですが、私は自分1人が死ぬ時は、ガンジーの精神を貫こうと思っています」って本に書いてました。ただ、その物凄い覚悟を、日本国民全員に押しつけることばできないし無謀だ、だから武装することが必要だって言ってました。  

小林よしのりも、「非武装で、徹底的に言葉だけでやってみよう。」って言っていたのですね。やはり西部氏と意見が近いですね。
 
でも、「一方で核兵器まで持たなくても、そこそこの軍隊を持って何としても独立し、絶対に他国を侵略しない。そういう選択も、あり得ると思う。」‥‥これには私はかなり懐疑的です。中途半端に武装すると、やっぱりアメリカにいいように利用されてしまうと思うからです。何かそれを防ぐ手だてがあればいいのですが‥‥。ただ、何としても独立したいという思いは同じです。どうすればそうできるのか、ちょっと思いつかないんですけどね。 
       
上の2人の意見に、斉藤貴男と「誇りを持って戦争から逃げろ」の著者:中山治の主張を足したものが、今のところ私が一番共感するものだと思っています。あと山本尚利と、田中宇を部分的に、そしてベンジャミン=フルフォードあたりかな~。あ、美輪サンもです。

‥‥初めてなのに、大変長くなってまとまりのない文章になってしまいました。スミマセン。 
【2007/09/02 23:53】 URL | るずこん #xCli0y5o [ 編集]

つづきです。
>日本はその安全保障の確実性をある程度犠牲にして、小林よしのりの言う意味でのガンディー主義とも通じる精神でもって、丸腰で世界と対峙することにより、平和を築こうとしている国際社会において名誉ある地位を占めようではないか。というのが僕の原理的護憲論の内容です。
 
わにぞうさんの主張に、私もとても共感します。
その上で、どうやって日本の独立をかちとるか。属国から抜け出せるか‥‥これが難しいなと思っています。 
 
中山治氏が主張するように、今はまず9条を護り、チャンスを待って武装中立国となる‥‥というのも有効かなと思います。(ただそんなチャンスが来るのかというと‥‥難しいものがありますね~)

また、スウェーデンのように「核武装一歩手前宣言」をする。これは西部氏も提案していました。‥‥ただそれも、唯一の被爆国である日本においては、理解を得るのは難しいと思いますけどね。アメリカは日本に、一方で脅威を煽り9条を改正させ、一方で非核三原則を堅持させ核武装させないようにしていると、山本尚利が言っていました。なかなか核心を突いた、スルドイ洞察だと思います。 
 
あ、上の共感する人物に、安齋育郎と関岡英之を入れるのを忘れていました。(多すぎますね‥‥スミマセン) 
  
‥‥ちなみに私の父親は、曲がったことが嫌いで、思いこみの激しい、単純なタイプです。人情にはあつい方ですが、表現がヘタです。九州男児です。薩摩隼人です。70近いのに富士山に何度も登る肉体派です。‥‥まぁウラオモテが全くないので、分かりやすいんですけどね(^^;) 
【2007/09/03 00:26】 URL | るずこん #xCli0y5o [ 編集]

よしりんについて
僕と同じように考えている方がいらしたんですね。本当はいろいろなブログを渡り歩いて意見を並べて・・・と思っていたのですが、最初にはまったのがるずこんさんのページで、「もうおなか一杯(^^)」でした。
西部さんについても、僕も非常に共感するところがあるのです。僕が読んだのは「無念の戦後史」です。共感のアンテナがあちらこちらで立ちました。
またいろいろと今回いただいたコメントについて、お応えするエントリーを立てて行けたらと思います。
また遊びに行きます。
【2007/09/03 17:12】 URL | わにぞう #- [ 編集]


この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→http://wa2zoo.blog8.fc2.com/tb.php/288-7175e138
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

ガンジーと憲法9条(1)

日本国憲法第9条   日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、 翻訳blog【2007/09/10 20:38】

プロフィール

わにぞう

  • Author:わにぞう
  • 理系研究者です
    自転車で遠くに行くのが好きです
    ↑は、日本最南端の碑

最近の記事

TBポリシー

このブログは、言及をした場合にトラックバックを送るという原則を堅持します。ただし、このブログに対する非言及トラックバックは許容します。理由はこちら

ブログ内検索

バナーエリア




「キャプテン」イガラシ全国大会版アニメ化を
応援しています
「キャプテン」近藤版も期待しています

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

リンク

このブログをリンクに追加する

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSフィード

月別アーカイブ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。