わにぞう日記
日常のなかでいろいろと見たり考えたりします。でも、多くは忘却してしまいます。何かの時に思い出せるように。交流の中で意見が深められたり変わったりするのもおもしろいですね。
05 | 2017/06 | 07
S M T W T F S
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

教育基本法改定に反対する
わにぞうは、政府案・あるいは民主党案の方向での教育基本法改定に反対である。あきれるほど多様である個人の人格の在りようを評価することはきわめて困難であるにもかかわらず、今回の改定案には多くの目標(あるいは「徳目」)が明記されている。これらの目標は、文字の上では、また解釈次第ではわにぞうももっともだと思うものも多い。しかし、政府・行政機構による教育への介入を食い止める歯止めをそっくり骨抜きにしてしまった改定案のもとで、徳目の内容を定義し、その達成度を評価するとなると、一面的な徳目の解釈で一律に子供たちの日常生活を縛る結果となる危険性がかなり高いと判断するからである。

[2007/01/05追記]
このエントリーには今回の教育基本法改定に対する僕の基本的見解が盛り込まれています。教育基本法は変わってしまいましたが、僕のこの意見は全く変わっていません。
この際関連エントリーをこちらにリストしておきます。
[2007/01/02]教育基本法改訂後のたたかいかた
[2006/06/05]「教育基本法「改正」案で自民が譲歩」のうそ
[2006/05/19]教育基本法に書き込まれれようとしている「愛国心」
共感を覚えたブログに対して、こちらからトラックバックしておきます。

政府改定案に絞って議論する。

徳目の意味は誰が確定するのか

大切なことは、列挙された徳目の意味するところを誰がどのような幅を持って判断するかということである。
これらの徳目のどれをとっても、解釈のしかたによっては非常に適切にもなるし、また別の解釈を取れば非常に一面的なものにもなりうるものばかりだ。教育の実際の運営を考えると、結局なんらかの国の行政機関によって強い内容規定がなされる可能性が高いだろう。
改定案第2条の規定は徳目の具体的中身を定義する主体が不明確である。ということは結局は権力機構の力学によって決まるわけだ。
この定義がものすごく適切に行われる可能性もあるが、ものすごく恣意的に行われる場合もあるだろう(現在の東京都のように)。
なんらかの価値観を教育の場面で実現を意図していくことは、人間社会である以上当然のことだ。ただ、そのやり方は子供の主観において納得することによらなければならないと、わにぞうは信じる。また、教育が前提とするべき価値観はきわめて広いコンセンサスに基づくべきだろう。
あえて愛国・愛郷の態度の件について述べる。
わにぞうは、日本の次世代の国民を育てることを第一義的に考えるのが教育基本法であると考えている。世界市民を育てるのが目的ではあるまい。もちろん、外国籍の子供を教えることもあるのだから、そういう場合に必要な配慮があることを忘れてはならない。だが、こういう例外事項を基準に基本法を考えることは適切でないと考える。
まずは、日本の次世代の国民には、日本の国をよくすることに真剣であって欲しい。そこにはもちろん、ほかの国々との良好な関係を発展させ、世界の発展と幸福につながることを日本の価値に結合させてとらえる視点も含まれる。そういう意味で、愛国の情をもつことは大切だ。しかし、ではどうすることが日本にとって良いことなのか。この判断は当然個々人によって異なるだろう。現行政府を否定し、批判することこそが愛国である場合だってある。オリンピックで自国の選手ばかり応援することこそ、日本にとって恥ずかしいことだ、などと考える人もいるだろう。また、教育の努力にもかかわらず、日本の現状が本当に悪くなり、愛国の情を持てなくなってしまい、海外に移住しようと思う子どもも出てくるかもしれない。そういう個人も許す教育であって欲しいとわにぞうは考えている。つまり、愛国心の中身は非常に多様性の高いものであり、その子どもの良心の発露である限り、これらをすべて許容するような仕組みであって欲しい。また、その目標が達成できない場合の責任は、必ずしも教育だけが負うべきものではないことははっきりさせておきたい。
第2条の徳目の解釈を行うものが果たしてこのような多様でおおらかな指標としてとらえてくれるかどうか。定かではない。定かでない以上、この法案には反対するしかあるまい。なぜなら、この法案に賛成するということは、そのだれかがそのように徳目内容を定義することに反対しなかったということであるから。

政府・権力による恣意的な介入への歯止めが欠落

国家が国民の育成のための教育内容に関してなんらかのビジョンを持つことについてわにぞうは決して否定しない。しかし、このビジョンに沿って行政が教育に関わっていく際には、慎重な態度が求められる。政治には常に独特な力学が働いている。教育が重要であるからこそ、政治からの教育に対する要求もきわめて強いものがある。この激動・変転する政治力学に教育を直接さらしてはならないとわにぞうは考える。最悪なのは、政権の都合で子供の持つべき資質が一面的に押しつけられることや、短期的な視点で教育内容がクルクル変わることだ。こういう事態からは教育を守らなければ、次世代に対する取り返しのつかない損失を生み、国の発展もおぼつかない。
現行教育基本法はこういった認識のもとで、教育とは国家や行政の道具ではなく、国民に直接開かれて行うものであることを宣言している。そして、第10条で「不当な支配に服することなく」と規定する、という手段で、行政側からの不当な干渉の危険から教育を守る方法をとっている。この不当な支配の主体には限定がなく、第2項と合わせて解釈すれば、政府等もこれに該当すると判断できる。
政府改定案はどうか。この法案は行政機構については性善説に立っており、「自主性を尊重(第7条(大学教育)・第8条(私立学校)など)」などといった留意事項がごく一部にあるものの、法律の範囲内で、政府・地方自治体の裁量によって自由に教育行政を実行できる構造になっている。第10条の改訂になる第16条で「法律の定めるところにより」と規定することによって「不当な支配」の主体から行政機構をあらかじめ排除している。こうして、最も巨大な力を持つ学外権力である行政機構に対する歯止めだけは取り払われている。
わにぞうには、政府案が採択された未来において、教育が時の行政によって恣意的に左右されるおそれを払拭することはどうしてもできない。かなり強い危機感を持って、この教育基本法改定案に反対せざるを得ない最大の理由はここにある。

なお、現行教育基本法では教師を直接国民にたいして責任を持つ存在として規定している。改定案ではむしろ法的に規定された教育行政を遂行する責務を持った存在ととらえらえる。わにぞうは前者の立場に立ってこそ教師の誇りは育つと考える。教育委員会の方を向いていじめを隠蔽する報告に汲々としている教育現場を見るにつけ、今回の改定案は百害あって一利なしだと判断せざるを得ない。

「態度」という言葉への強い違和感

最後に、徳目を列挙した改定案第2条について一言述べたい。これらの徳目についてはすべて「態度を養う」となっている。徳目が心に踏み込むことになると、良心の自由に抵触するという配慮があるとされている。
しかしそれならばこの改定案は子供たちに、心から感じていないことを感じているかのように態度に示しても良い、というのだろうか。このこと一つとっても、とても教育の基本を定める法律として到底認めがたい案である。
このページのはじめのほうでも述べたように、改定案第2条の「徳目」に関してわにぞうは、適切に広い解釈を現場で行うことが可能であり、かつ結果として子供たちがそれを達成することを子供たちや教師などに押しつけるのでなければ(これを押しつけなければ意味がない、という意見もありうるだろうが、それならばまず「良心の自由」という近代的原則を前提とした憲法を根っこから変えないといけない。わにぞうは反対である。)、これらの徳目の多くを教育のめざすものとして意識することに関して必ずしも反対ではない。そういう緩やかな指標として徳目を示すのではなく、狭い具体的内容を押しつけようという意図があるために、「態度」で示せばOKなどという不道徳なレトリックを使う自己撞着に陥るのではないかと勘ぐってしまう。

以上の理由から、わにぞうは今回の教育基本法の改定に対し、強く反対する。
スポンサーサイト
この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→http://wa2zoo.blog8.fc2.com/tb.php/270-5284ff5d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

プロフィール

わにぞう

  • Author:わにぞう
  • 理系研究者です
    自転車で遠くに行くのが好きです
    ↑は、日本最南端の碑

最近の記事

TBポリシー

このブログは、言及をした場合にトラックバックを送るという原則を堅持します。ただし、このブログに対する非言及トラックバックは許容します。理由はこちら

ブログ内検索

バナーエリア




「キャプテン」イガラシ全国大会版アニメ化を
応援しています
「キャプテン」近藤版も期待しています

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

リンク

このブログをリンクに追加する

天気予報


-天気予報コム- -FC2-

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

RSSフィード

月別アーカイブ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。