わにぞう日記
日常のなかでいろいろと見たり考えたりします。でも、多くは忘却してしまいます。何かの時に思い出せるように。交流の中で意見が深められたり変わったりするのもおもしろいですね。
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最近の乱読
最近乱読している本を並べてみる。全部読んだものもあるし、一部しか読んでいないものもある。でも、とりあえず大切だと思ったところは読んでいるつもりだ。ひとつひとつの評を書けばよいのだろうが、読んでいる本同士が強く関連していてなかなか難しい。でも、みんな大切な本ばかりだという思いはある。直感的な評価のみ記しておく。後でかわるかもしれない。

「ナショナリズムの練習問題」井崎正敏著・洋泉社
様々な政治的経験はやはり民族を単位として行われると思えてならない自分にとっては、テーマとしては重要な本。だが、ナショナリズムの今後の展望に関しては安易すぎるような気がした。
「映画から見えてくるアジア」佐藤忠雄著・洋泉社
アジアの映画という面から、逆に日本の映画の良さみたいなものも見えてくる。この人本当に映画が好きな人だな。文章から伝わってくる若々しい精神。でも、本当の年は結構行っているみたい。こういうおじいさんになりたいな。
「こころをさなき世界のために」森達也著・洋泉社
元はと言えばこの本に目が止まり、その横にあった上の二冊に出会うことになったのだ。森達也はオレにとっては実に触媒のようなお人だ。
「陸軍・秘密情報機関の男」岩井忠熊著・新日本出版社
右翼の本かと思うかもしれないがそうではない。著者はかつて戦時中には特攻隊に所属し、戦後はむしろ反戦の立場を貫いたつわもの。彼の義理の叔父をテーマにした戦時中の一異色将校の活動の様を描いている。硬直した糾弾ではなく、かといってべたべたの美化でもなく、侵略者としての顔もあり、義理人情に厚く、不合理に怒る心根を持ち、でも侵略国家の一将校としての仕事を誠実にこなした肉親の姿を、事実に即して描いている。こういう反戦じいさんばかりだったら、小林よしのりなんて出る幕はなかったのかもしれない。
「特攻 自殺兵器となった学徒兵兄弟の証言」岩井忠正+岩井忠熊著・新日本出版社
も一部読んだ。時間を見つけて是非全部読みたいと思っている。忠正氏は忠熊氏の兄。兄弟そろって特攻部隊にいたのだ。ともに戦争に勝てるなんて思ってもいなかったという。忠正氏はもう絶対自分の年代の男は戦争でじきに死ぬことになると思っていたそうだ。なのに彼は特攻に志願した。彼の場合はまったく自発的に志願したのだという。それはなぜか。知りたい人はこの本を読んでください。ものすごく納得できた。
「戦後責任論」高橋哲哉著・講談社学術文庫
ナショナリズムを頭から否定することができればいかに理論としてすっきりと論述できるかを示した書。と、ちょっとおちょくりたくなってしまいました。
「きけわだつみのこえの戦後史」保阪正康著・文春文庫
きけわだつみのこえは押しも押されもせぬ名著。この本はその名著を送り出してきた「戦没学生記念会」の軌跡を描いている。オレの受け止めとしては、「加害責任」原理主義というものを考える上で重要な著書だと思う。

ともかく感じることは、日本近代史を平板な色づけでなく、具体的な人々の姿を通して見つめる必要があるということ。「日本はアジアの解放を目指した」「大東亜戦争は日本の自衛戦争」などという色づけは論外として、一方で戦前戦中の日本人はみな無知で残虐な恥ずべき加害者だといった色づけも事実に反する。現実の姿はそのせめぎ合いの豊かなモザイクであるに違いない。我々の先祖である個々人が所与の条件下において自らの人生を賭けていかなる模索を重ねたのか。そしてなぜ誤りを犯したのか。これを具体的に知り抜くことから始めようと思っている。
小林よしのりらの議論が我々の世代になぜこうまで影響力を持つに至ったのか。ここには(それが善意からであるにしても)我々の世代に戦前史のモザイクを豊かに観る機会を持たせてくれなかった教育のありようが横たわっているのではないかという仮説を最近持つに至った。平板な「悲惨」と「侵略」のイメージに固められた戦前社会認識からは思いもかけない豊かな事実の一端を我々に最初に示してくれたのが小林よしのりだったのだ。
本当に多くのじいちゃん・ばあちゃんたちの生き様に心を寄せるならば、小林よしのりのような結論には至らないと確信している。それなのに小林よしのりがなぜあのような結論に自らを導いたのか。それは、その方が「意外性が高い」からに他ならないのではないだろうか。裸の王様の子供タイプである彼は、若い世代のあいだにある紋切り型の反戦世論の中にある「裸」性に激しく反応したのに違いない。
彼の問題提起に対して「戦争責任の自覚が足りないからだ」などと言って応答するのは有効ではない。この点、さすがに昭和を生き抜いてきた岩井忠正・岩井忠熊兄弟のような強者の反応は的を射ているとあらためて思った。

というようなコンテキストで今読みたいと思っている本は以下のようなものである。
「歴史洗脳を解く」栗原宏文著・扶桑社
すでに読みかけではある。いったい今の若者は小林よしのり的なもののどこにショックを受けるのか。これは一読に値しそうである。
「実録満鉄調査部」草柳大蔵・朝日文庫
すでに読みかけ。満鉄は戦前戦中の日本に生きた人々を具体的に考える上でひとつの「おいしい」線ではないだろうかとにらんでいる。
「大アジア燃ゆるまなざし」読売新聞西部本社編・海鳥社
は、戦前右翼の大物とされている頭山満について書かれた本であるらしい。当時現実に進行する日本軍国主義の侵略と、アジアの解放を夢見たとされるこの人物との間にいかなる葛藤があったのか、あるいはなかったのか。手がかりがほしい。上記の「陸軍・秘密情報機関の男」にはこの点でも興味深い記述がある。戦争末期、インドの「解放」を名目に行われたインパール作戦にも、岩井忠熊氏の叔父であるかの将校はかかわっていた。その話に出てくるインドの解放活動家であるボース氏は、日本の支援を求めて長く日本で暮らした人物だ。その際に彼を支援したのが頭山らのグループなのである。頭山らはそれ以外にも、アジア各国の独立運動家との多様な交流を持っていた。これが意味するものは何なのだろうか。
同様のコンテキストでいま照準を合わせているものに、
「秘録陸軍中野学校」畠山清行著・新潮文庫
「戦艦大和ノ最期」吉田満著・講談社文芸文庫
などがある。
なお、世の中でもっとも欠けていると思えてならない一つの視点は、戦前に弾圧を受けた側の死闘のことだ。これについてはしかし意外と本がない。実は上に述べた「陸軍・秘密情報機関の男」はこの点でも実に貴重な本である。この本には、モデルとなった将校の3人の弟の話が載っている。実はこの3人は当時の反戦運動に深く関わり、そのうちの2人は弾圧が元となった病で命を落としている。こういう大切なことは、もっと語られてよいように思うのだが。書店ではほとんどこの種の本は見つからなかった。
「現代民話考6 銃後・思想弾圧・空襲・沖縄戦」松谷みよ子・ちくま文庫
「治安維持法下に生きて 高沖陽造の証言」太田哲男ら編・影書房
は数少ない例外。これらをとりあえず手がかりにしようかと思っている。
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