わにぞう日記
日常のなかでいろいろと見たり考えたりします。でも、多くは忘却してしまいます。何かの時に思い出せるように。交流の中で意見が深められたり変わったりするのもおもしろいですね。
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構造改革もいろいろ(方向性を問わない危うさ)
ひきつづく不況と生活不安、財政危機。確かに構造改革が必要である。でも「構造改革もいろいろ」。何でもいいやと郵政民営化ではゆくゆく困らないのだろうか。この構造改革はどういうたぐいのものかをよく見定めないといけない。自分の見るところ郵政民営化は、「竹中流・「あしたの経済学」型の改革」であり、そこに少し「小泉流・八つ当たり型改革」が混じっている(だから的はずれになっている面がある)。


竹中流・あしたの経済学型の改革

「官から民へ」「民間にできることは民間に」「小さな政府」という流れは当然のものとされている。経済活動に何かの規制を持ち込むことや公的サービスを行うことは、自由経済の活力をそぐものとして忌避される。郵政民営化案を支えるのは、郵政・郵貯などを自由な経済活動の競争の中に投げ込めば問題は解決するという経済哲学だ。これは、竹中担当大臣が信奉する「新古典論」という経済学の流れに基づいている。「神の見えざる手」という市場の効用を最大限に信頼する潮流である。
僕はこのことについて次のように思っている。この「新古典派」を基礎に経済を分析しても良い。しかし、実際にこの理論体系が前提としている法則性が成り立つかどうかは、現実の対象とする社会に即して検証しなければならない。しかし、いまの日本についてこれが成り立つかどうかというと疑問だ。
このあたりの基本的な理解をするために、鈴木政経フィーラム代表の鈴木淑夫氏の解説「竹中経済学は日本の現実に合わない」(雑誌:「金融財政」2003.1.6)が参考になる。

現在の日本経済は、日本銀行が市場に二〇兆円もの余剰資金を置き、金利をゼロにまで下げても、民間はその資金を借りて投資を行おうとはしない。このような恒常的な不均衡を、ケインズは「流動性のワナ」に陥った「投資の利子非弾力性」の状態と呼んだ。

このようなケインズ・モデルの世界では、財政赤字を減らして(国債発行を減らして)貯蓄(資金)を余しても、金利はゼロから下に下がらないので、民間がその余った貯蓄(資金)を使って投資を増やそうとしないのである。従って、財政赤字の削減は「事前」の貯蓄の余剰(需要不足によるデフレ)を生み出すだけで、景気の自律的回復は起こらない。

それでもなお「財政再建」最優先で「景気回復」政策を十分に打たないのが小泉経済政策であり、その理論的支柱が竹中経済財政・金融大臣である。日本経済の現実に合っていない新古典派的政策に固執する大臣の下で、日本経済が壊れて行くのは、本当に残念なことである。


鈴木氏は元自由党衆議院議員でもあったので、党派的関心に基づく論文と眉唾に思う人はそれはそれで結構であるが、少なくともいまの日本経済が本当に新古典派経済学の有効な領域かどうかについて検証する必要があることはわかるだろう。もちろん竹中氏の著作「あしたの経済学」などから自力で読み取られても良いだろう。
歯切れ良く「官から民へ」「民間にできることは民間に」と言っていられるのは、あくまでも竹中流の新古典派経済理論を前提としてのことである。これを検証しないで突っ走るのは危険だ。

小泉流・八つ当たり型改革

これははっきりしている。小泉首相は郵政民営化が改革の「本丸」だという。しかしそれは違うだろう。
本丸は財政にある無駄の構造だったはずだ。財界の刹那的要求を政治家が官僚組織を使って積み上げていったのが、無駄なダムや高速道路に象徴される財政の無駄の構造だ。この背景には、政治資金による政治家の事実上の買収がある。
ところが、小泉流改革は、郵貯・簡保という利用可能なマネーがあったから、無駄の構造ができた。という珍妙な診断に基づいている。そこには、無駄な公共事業でもうけてきたゼネコンと、そこに群がる政治家たちの責任はすっぽりと抜け落ちている。これは八つ当たりである。郵貯や簡保などなくとも財投債を発行すれば無駄を続けることは可能だ。無駄の現場にメスを入れないから、無駄の構造は温存されるだろう。
しかも、財政赤字を減らすことにはまったく役立たない。郵貯・簡保は独立採算を確立して比較的優良な経営をしているから。
ともあれ小泉流・八つ当たり型改革によって、国民の敵は郵便局員・公務員の既得権益だということになった。

郵便局で働いている正規の国家公務員約26万人、1日数時間働く短時間公務員約12万人を加えると約38万人の公務員でなくては本当にこの郵便局は運営できないのでしょうか、サービスは展開できないのでしょうか。
政治家が支援者の声に耳を傾けるのは当然です。しかし、一部の特定の既得権益だけを守るための政治家であってはならないと思います。国民全体の利益を考えるのが政治家です。わずか数十万人の公務員の既得権益を守るために、1億2千万人の利益を損なってはいけません。(小泉内閣メールマガジン第201号より)


そしてそこには、政財官癒着の構造を生み出す中心にあった政治家たちの罪を、何の権限もない公務員にいつの間にかすり替え、改革の旗手の立場に収まっている政治家の姿がある。
財政の無駄遣いへのいらだちを郵政公社とそこに働く郵便局員や権限もない一般公務員にすりかえる。これが、小泉流・八つ当たり改革の特徴というわけだ。

改革もいろいろ。改革なら良いとは限らない。見極める必要がある。
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テーマ:2005総選挙 - ジャンル:政治・経済

この記事に対するコメント
TBありがとうございます
わにぞうさん、TBありがとうございます。
「小泉流・八つ当たり型改革」、まさに同感!
ところで、MyBlogListに入れていただいてたのですね。感謝。
わたしも加えておきます。今後ともよろしくお願いします。
【2005/09/11 15:40】 URL | ニッパチ #mQop/nM. [ 編集]


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