わにぞう日記
日常のなかでいろいろと見たり考えたりします。でも、多くは忘却してしまいます。何かの時に思い出せるように。交流の中で意見が深められたり変わったりするのもおもしろいですね。
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国際線で観た「おくりびと」の受賞を祝福します
これまた国際線で観た「おくりびと」。非常にわかりやすい作品で、物語に無理なくエピソードを配し、自然にそれらが伏線となってラストに結びついていく。でも、決して物語を言葉で説明することなく、一つ一つの登場人物の行動で納得させてくれる。非常に緻密にくみ上げられた映画で、全編ほとんど無駄なところがない。とても充実したひと時を過ごすことができた。舞台となる山形の自然とチェロの音色がそれだけで幸福感を与えてくれた。滝田監督の会心の仕事と言っていいだろう。久しぶりに、「自分もこんな仕事がしてみたい」と思わせてくれる映画と出会った。この映画が世界の映画好きにしっかり受け入れられているのはとてもうれしい。
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アニメ映画「イゴール(Igor)」には嵌った
最近は忙しくて映画を見に行くなんてほとんどしていないけれど、国際線の機内映画は相当見まくっている。その中のひとつ、フランス・ベトナム共同制作アニメ「イゴール」には嵌った。「異常気象」への恐怖をあおり、マッドサイエンティストたちの発明合戦に熱狂する奇妙な世界のなかで、差別的な扱いを受ける「イゴール」という存在(背中に変なこぶがある一族。人種差別を想起してもらえばわかりやすいだろうか。「世間」からは、いくら実力があろうとまともに評価してはもらえない存在。)の主人公は、名前もイゴール。冴えない外見だけれど、明日のトップマッドサイエンティストを目指す、叶わぬ夢に心から熱くなれるやつだ。理系人間だから(?)ぜんぜんさわやかじゃないし理屈っぽいんだけれども、なんだか自分に重ねてしまいたくなるところがある。イゴールは世に名高いとある大マッドサイエンティストのしがない助手を務めている。
で、こんなイゴールがひょんなことからこれまたなんとも異形で邪悪な心やさしいサイボーグを作り出してしまう。そしてそれはやがてそんな世間そのものを揺るがす騒動に発展するのだが、このあたりはぜひ実際に作品を見てみてほしい。今年度のアカデミー長編アニメーション作品賞は、僕的には文句なしにこの「イゴール」だ。
しかし、残念なことにこの作品は日本での封切の予定はないようである。もったいないなぁ。きっと受けると思うんだけどなぁ。
派遣切りの違法性についての判断基準
派遣切りは当然という向きも多いが、少し前のエントリーで述べたように、野放図な派遣依存と派遣切りのセットは日本の企業社会の力を根本から腐らせるものだ。何とかしないと10年後の日本には本当に希望がない。若者をこき使い、育てず、放置するような企業社会には未来はないと僕は思う。だから、違法か合法か、ということをさておいても、ここで安易に首を切らない質を企業がもてるような政治のイニシアチブを求めたい、というのが僕の基本的意見だ。
とはいえ、実際には派遣切りについてネットで見る意見はいろいろで、「でも企業の行為ってどこも違法じゃないジャン」という「冷静」なものも多い。そういう「冷静な(冷静は時には美徳だけれど、こういう「政治的に正しい」的な対応って、問題の深さをまったく視野に入れていない点で、社会的なセンスとしてどうかと思うのだけれど)」人たちから見ると、「派遣先は当然のことをしただけなのに、ごろつき派遣労働者どもが筋違いの企業吊るし上げをマスコミと一緒にやっている」的な見え方をしていて、相当目に余る対象に見えているようなのである。実際、派遣先を追及する論理としてはその行為の違法性を追求しているということが報道されるものだから、派遣切りが違法でないということを当然のことと思っている論者からすると、その目に余る度が非常に大きいものになるし、マスコミはいよいよ持って馬鹿に見えてくるし、より強い確信を持って派遣労働者の要求を嫌悪する、という結果になっていることが見て取れる。

本当のところはどうなのだろう。
派遣は確かに正社員と違って雇用の継続を打ち切りやすい立場であるからこそ企業が重宝するわけで、今回も企業の狭い意味での競争力だけを考えるんであれば、派遣切りこそ正義だし、まさにそういう目的の制度だといってしまえる。事実そういってしまう人も多いのだが、実際の法律はいろいろな事情から決まるわけで、そんな単純じゃないはずだ。現在行われている派遣切りについて、どういう論理で違法性を派遣切りの被害者は立てて闘おうとしているのか。これを見ておきたいと思う。
派遣切り当然。と傲然と言い放つのもかっこいいのだけれども、派遣切りに抵抗する人びとの論理ももう少し丁寧に見てあげたほうがよいのではないかと思うのだ。
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「坊ちゃん」の古典としての価値
子供のころに読んだきりだった「坊ちゃん」をまた読んでみた。本当に爽快だなぁ! 坊ちゃんの底抜けの自己肯定精神に励まされた。なんだか元気になる。
それに、中学校での騒動をややこしくする一端を担ったマスコミの姿を織り込んで、まったく現代のマスコミの姿そのものを描いているようだ。というか、人やマスコミの本性なんて、今も昔もたいして変わらない、ということかもしれない。

「赤字決算」報道にご用心
アメリカ発の世界的な経済危機にともない、企業の業績の悪化が喧伝されている。2008年度の経常利益がなんと半分になったとか、今年度の決算が赤字になったという報道のない日はない。そしてお決まりの人員整理と工場閉鎖。とうとうパジェロの名を売ったパリダカールラリーからも、三菱は撤退をするという。そういえば来年にオリンピックの舞台を控えた日本ジャンプの花形選手も、安定した雇用先が見つからない状況だ。
でも、待ってほしい。今赤字で騒がれるということは、これまでずっと黒字を続けてきたということだ。
トヨタも3月期決算で赤字になると騒がれている。営業利益は今季確かに数千億円の赤字になりそうだ。しかし、トヨタの19年度営業利益は2兆2700億円。18年度は2兆2400億円。17年度は1兆8800億円。16年度は1兆6700億円。15年度は1兆6700億円。14年度は1兆2300億円。13年度は8700億円。12年度は7600億円の黒字である。莫大な黒字の末の一瞬の赤字だ。マスコミの問題の騒ぎ方は、タイムスケールをまったく見誤っていると思う。
若者の雇用破壊を背後に、これらの黒字は企業の内部留保を増大させてきた。もちろん内部留保は「単に遊ばせておくお金」ではないわけで、企業の競争力を高める上で重要であることは間違いあるまい。グローバルメガコンペティションにさらされる個々の企業の論理にそのまま立つならば、自らの体力を強化するためには内部留保の死守を志向するのも当たり前なのかもしれない。
しかし、今日本で起こっていることは何だろうか。企業の競争力を守るために(事実ここ数年の営業利益を見るだけでも、大変な努力が払われてきたことがわかる。)、雇用の破壊をすすめ、若い次世代の育成を二の次にし、優秀な下請け企業を苦境に陥れ、地域経済を冷やし、食の安全を手放し、内需を細らせ、パリダカやオートレースからの撤退が象徴するように技術開発への挑戦を諦めてきたのではないのか。
僕には、この現状は結局、日本における企業力の源泉そのものを決定的に傷つけつつあるものだと思われてならない。もし日本の企業力を大きな視点から育てようと本当に思うのであれば、せっかく蓄えてきた企業の体力(=内部留保)を、十年先を見据えた大きな投資のために用いるべきときだろう。
内部留保を用いて雇用を守る。ということは、「企業対経営者」という枠組みでのみ重要なわけではなく、日本経済の力の源泉を恢復させるためにこそ必要なのではないだろうか。
「内部留保を取り崩すことは企業の競争力をうばうので論外」という論が氾濫しているが、日本の企業力の源泉を恢復させるためならば、内部留保を大いに使うべきなのだ。
そのために必要なのは政策的イニシアチブである。内部留保を取り崩せない、というのは個々の企業の罪ではないのだ。今日麻生首相が国会で、「内部留保をどう使え、などということをどうこう言うことはできない」と答弁しているのをニュースで聞いた。質問者は当然ながら、「内部留保が膨らんでいる現状の中で、その確保を聖域として雇用の破壊を当然視するのはよくない」と主張したのだろう(そこは聞いてなかったのでわからないが)。これに対する答えとしてはずいぶんと失礼な返答だと思う。論理的には完全に空回りしているし、もしもこれで反論した気になっているとすれば、首相の人間的品性を僕をまず疑う。また、政治家こそが、大局的に「内部留保をどう使え、ということをどうこう」考えることこそが必要なのだ。この視点を端から放棄する政治的感性は、日本の首相としての資格問題すらはらんでいると思う。
今年は選挙もある。ためこんできた内部留保の正しい使い方を、長い目でみて提案できるような政治家を育てていく年にしたいものである。

さて、ややくどいほどに「日本の企業力」と表現してきた。これは、もし現在の大企業の活力のみを問題にするのであれば、もしかすると日本の経済力の源泉の恢復なんかぜんぜん必要ないかもしれないからである。彼らは国際社会に飛び出せばいいだけのことである。だが、僕たちは日本で生活している。日本社会は大切だし、末永くこの島国の上で、楽しい社会を維持していってほしいのだ。そのために、これらの企業には、日本企業であり続けてほしい。日本人の営々たる努力こそが、日本企業の底力を作ってきたのだから。これらの先達の努力を手放してしまうのかどうか。このことを僕たちは問われているのではないか。



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  • 理系研究者です
    自転車で遠くに行くのが好きです
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